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先輩・・・好きになってもいいですか?

◎10/6 00:39今のところ、すべてのレス終了していると思います。ありがとうございます!m( __ __ )m


皆様、こんばんは。

ここのところの一連のビョンホンのインタビュー。

相変わらず彼のインタは創作ネタの宝庫です。

昨日Bさんに、日本語訳さがしてもらってあらためて読んで。

あのインタの中のあるひとつのエピソードが私に激しく妄想を抱かせました。

どのインタビューかは、ぜひ読んでみて下さいm(__)m


☆どういうわけか、我が家、今携帯から見れないみたいですね。。。??????














休憩時間。

自分から数メートル離れたところでTはメイク担当に髪の毛をひっつめにしてもらっていた。
にぎやかなそのメイク担当はTにS先輩の寒い駄洒落を楽しそうに彼女に話しているが
彼女は上の空だった。
彼女の両手の中にはスターバックスのカフェラテのMサイズが収まっていたが、さっきから見ていても
一度もそれに口をつけた形跡がない。

彼女はBHとは反対の方に視線を泳がせ、思い出したように大きなため息をついていた。
BHはタバコを吸いながらその様子を静かに見ていた。
メイクが終わったらしく、鏡で何度も角度を変えて自分を確認するとやがてその場所はTを残して誰もいなくなった。

「T!」

BHはタバコを灰皿に押し付けながら彼女に声をかけた。
Tは振り向くと、自分が大きくため息をついたところを見られてしまったことを隠すように
快活な微笑みで彼を見た。
BHはその瞬間も見逃さなかった。

「T、次のシーン、まだだろ??」

彼に声を架けられてTは 自分の席を立ち上がるとBHの座る丸テーブルの方に向かってゆっくりと歩いてきた。

「先輩・・・ごめんなさい。さっきは」

BHはTのいきなりの謝罪にぷっと小さく吹き出した。

「ごめんなさい。私のせいで何度もNGになっちゃって・・・」

「別に。謝る必要ないよ」

「それより、日焼け止めもっと塗っといた方がいいぞ。こんなシミになったら大変だからな」

「午後はずっと屋外のロケになりそうだから」

彼はそういいながら自分の頬の右側に指で大きな輪を作ると 大げさな顔で彼女を見た。

「シミだらけのプロファイラーなんてこのドラマではありえないからな!」

「なんせ俺がヒーロー、君がヒロインだぜ?」

快活にそういう彼の言葉にTは思わず噴出しそうになった。

「さっき何度もため息ついてただろう?」

BHは声のトーンを少し落ち着かせて言った。

「え!・・・見られちゃってました?」

「うん・・・」

彼はそう言いながら二本目のタバコに火をつける。

「T・・・君、自分でもなんかモヤモヤしてないか?顔に出てるぞ」

「え?・・・」

Tは彼にそう言われると、観念したように少し微笑んだ。

「先輩・・・ごめんなさい。」

「だから何度も謝るなって」

「私・・・演技は楽しいけど・・・ほんと難しい。このアイリスでしみじみそう実感してるんです」

(今頃実感してるのかよ・・・)

BHはそれを顔には出さずにじっとTをみつめていた。
TはBHの視線から少しはなれたところを見つめながら話しはじめた。

「T・・・そこまで君が言うなら言うけど」

「君を見てると・・・、きっと大学生まで怖ろしく優秀だったんだなって感じるよ」

「俺と違って、きちんとまじめに勉強して、成績もよくて、ご両親もそれを期待して・・最高にすばらしい学生だったんだろうな」

「でもさ~。君のやってきた勉強って大体答えはひとつだろ?」

「正しい答えを導き出すノーハウ、それが学生の勉強だろう?」

「俳優は違うよな」

「俺だって最初からキャラをどう演じるか悩まなかったわけじゃない」

「監督に罵倒され、共演する先輩達にもヘタすぎて迷惑かけて、スミで小さくなってたこともあったな」

あえて自嘲気味に話しているのにTは彼の言葉をひとつも漏らさないように真面目に彼を真正面で見据えている。
BHは苦笑した。

「君は人間観察って興味ない?」

「人間観察?」

「俺はよくするんだよ。もう趣味って言ってもいいくらいだ。面白いよ。いろんな人がいて、いろんな行動していて、たとえば、撮影所でタバコふかしてる掃除のおじちゃんが 新人のADと話してるのなんか見てると本当に面白い」

「ADに自分の兵役のときのことを話してて、はっきり言ってADは嫌がってんのにそのおじちゃん、空気読んでないんだな」

「もううんざりしながらも、はいはいって聞いてるのがめっちゃおかしくてな」

「そうそう、ほら、駅のシーン撮ってるとき、隣の車両で酔っ払って絡んできた親父がいただろ?この親父は
何が気に入らなくていらいらしてるんだ?とか」

「ほら、この現場だって見てるとけっこう笑えるネタだらけ!」

「人間観察してるうちに、この人、どんな感情なんだろ?って思ったりするようになるんだよ」

Tが口を開いた。

「私、人間観察が足りないってことか・・・」

「プロファイラーっていう仕事を理解してるつもりなんですけど」

「頭で理解してるんだろ?頭だけで」

「でも、私、プロファイラーの経験がないから・・・想像のしようがなくて」

(経験したことしか演技できないっていうのかよ・・・)

BHは小さくため息をつくと彼女の顔を一瞬見つめた。

「あのさぁ T・・・。馬賊の頭目だって、ギャングのボスだって、忍者だって、はっきり言って俺、どれも一度も経験ないぞ」


「そ・それはそうですけど・・・」

「じゃ、T!君が演じれるのは、良家の子女か、大学生か・・・」

「あとは・・・〇〇な・・・」

思わず口をつむいだBHは二三度咳払いすると改めて言い直した。
よかった。Tは気づいてないようだ。

「あとは、「駆け出し」の女優役・・・それくらいしか役を引き受けられないってことだろ???」

「どんな役だって、見た目くらいはすぐに作れるさ。衣装なんかで」

「でも、どの役だって人間なんだよ。人間が考えて、行動するんだよ」

「立場が人をどう行動させるか、とかどんなふうに考えさせるかとか、意外とそういうのって
無意識に出るもんだよ。だから普段から俺は人間観察に余念がないってわけ」

BHはかわいらしくうなづくTを見つめると、一呼吸置いてTを改めて見つめなおした。

「俺は、役を引き受けたら、その役の人生を生きるってことだと思ってる」

「でも、教科書だけ前にしてたんじゃ、君が探すのはたった一つの正解だけ」

「しかもその正解は現実の人生の中ではほとんど役にたたなかったりするんじゃないか?」

「君だって女優になってから、優等生でなんでも一番でいたのに、なんでうまくいかないんだろう?って思ったことたくさんあっただろう?」

「それはつまり・・・」

BHはTの顔を見つめた。

以前、どうしようもなくヘタな女優にこの手の話を、いや、もっと簡単に言ったことがあるが、大粒の涙をこぼされて、それ以上言えなかったことがあったことを思いだした。

あと一時間ほどでTの出番が来る。
もし、泣かれたりしたら?
プライドが傷つけられたと感じたり、自信喪失してしまったら、演技が更に萎縮してしまう。
彼はTの表情を見つめた。
Tは落ち着かない様子でカフェラテのカップを両手で触りながら、彼の言った言葉を少しうつむき加減で反芻しているようだった。

ひっつめたポニーテール。毛先が少しカールしている。
アイラインをしっかりと引いてテヒのいつもの優しげな顔とは違う、強い女のイメージがなかなか合っていると彼は思った。
真っ白な肌。
肉感的とまでは行かないが、そう痩せてるわけでもなく、アメリカンスリーブのせいか、ハードな革素材の衣装も彼女の化粧にマッチしている。

(・・・モデルだけなら文句のつけようがないんだがな・・・)

長い沈黙のイミを推し量ろうとして、Tは顔をあげてBHを見た。
BHは少し微笑んで口を開いた。

「T・・・もっと自由になれ」

「自由ってのは・・・殻をやぶれってこと。理不尽だと思ったり、自分を批判したり、考えられないような役を演じることになっても、それに目をそむけちゃだめだ」

TはBHをまっすぐ見つめていた。

「俺の言いたいことわかるか?」

「抽象的すぎるかな?でも頭のいい君のことだから、わかるよな?」

「つまり、目先の演技にとらわれないで、君のキャラクターを君自身が味付けして、構築しろってこと」

TはBHが自分に言ってくれた言葉をじっとしたまま聴いていた。

「Tさん~!ちょっとお願いしま~す!」

衣装係のMがTを呼んでいる。
監督が言っていた、明日撮る予定の衣装合わせだ。
Tははっとして、声がかかっている方向を見つめた。


「先輩、どうもありがとうございます」

Tは彼に一礼するとBHに背中を向けた。

「あ!T!」

ふと振り向いたTに向かって前のめりになるとBHはささやいた。

「俺達のキスシーン、あれはお互いうまく行ったと思うだろ?」

ぷっと吹き出すと照れくさそうにTは笑った。

さっきの真剣な顔からぱっと顔中が一瞬輝いた。

そしてBHににっこり微笑むと衣装係のところに足早に駆けて行った。

(T・・・君・・・ちゃんとキスしたことないだろ・・・)

BHは彼女の後姿を見つめながらゆっくりとタバコの煙を吐いた。


続きはこちら~
Commented at 2009-10-01 01:24
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by leejewel at 2009-10-01 13:38
じゅのさん こんにちは~

UPお疲れ様。
いや~タイトル見て、ドキドキしちゃった。

それにしてもこちらのBHも、熱心だよね。

たしかにあのインタ記事の彼、すごく熱くて、優しくて…

テヒ嬢に対する思いやりも感じられて、よかったわ。
「アイリス」見たいって思ったもん。

この創作UPするとき、
じゅのさん、テヒ批判って受けとられたらどーしよーって心配してたけど、そんなことないと思うよ。

BHの熱い指導に、女優Tの才能が開花していくお話。
いいわ~
Commented at 2009-10-03 17:30
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by juno0712 at 2009-10-05 22:30
☆2009-10-01 01:24 の非公開様~

おそくなりました。

そうなんですよ。その節はお世話になりました。
まったく探すのヘタなもので。

なんだかマジメにビョンたら言いそうですよね。
相手が聞く耳もってるかどうかにもよりますけどね。
テヒ、意外と素直かも???
でも、はっきり言って新人じゃないんだから、もっとこなれてもいいような気もするんですけどね。

そうそう、メイク担当が一番いいでしょう???
触れるんですよ・・・素肌にね・・・

え?一本?????
どういう意味?????きゃ~~~~~~~~(爆笑)


Commented by juno0712 at 2009-10-05 22:34
☆2009-10-03 17:30 の非公開様~

ありがとう!

いや、特に私ならでは、ってのはないと思うよ(笑)
ひねりがないでしょう???そのまんまだから。

あ!!!そうだよね。
一箇所だけリアルになってた!!!
それ、単に間違えたのよ。
直しておかないと(って、今更かな)

テヒさんは天国の階段しか知らないわ。
その時は単純に単純な悪女。
深みのない美しいヒール役だったのよ。

あれ、お話が面白かったからきれいな子だわね~って見てたわ。

アイリスでホントニ彼女がすばらしい演技見せてくれたら
ビョンも嬉しいよね。
っていうか、ビョン「うまい役者と一緒にやってみたい」って書いてたでしょう?

だから、ちょっと優しいけど、意外と中身は冷めてるみたいな感覚で書きました。

コメありがとうね。


Commented by juno0712 at 2009-10-05 22:40
☆ジュエル様~

ごめんね。ラストにしちゃった。
ほんと、ほんと、書いてくれて助かったよ。
ありがとう!m( __ __ )m

テヒ批判???なんて思われたら困るから。
軽く書いてるからね~~~

相変わらず熱い男だよね。ほんとに。
思いやり・・・かどうかはわからないんだけど、彼女も開眼したら
最高だわ。

何よりもこのアイリス、「面白い!!!」って韓国の方たちが
たくさん見てほしいわ。
ビョンもあんなに頑張ってる。

まわりの共演者もこのドラマに起用されてよかった~~~
っていうことになりますように・・・

ヒョンジュンなんだか、すっごくかっこいい。
本当に楽しみだわ。





Commented at 2009-10-06 20:25 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2009-10-06 20:29 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by juno0712 at 2009-10-12 20:57
☆2009-10-06 20:25 の非公開「ぶ」様~

レス遅くなりました。
どうもコメントありがとうございます。

そうですよね~付き合い長いから~(笑)
けっこうくさいこと言ってますが、それを公言したってことはよっぽど彼も言わずにはいられなかったんだと思います。
彼女が教えてくださいって言ったかどうかはわかりませんが
彼は面倒見もよさそうですからね~
しかも考えてみたら彼女まったくの素人ではないわけで。
一応何作かのキャリアはあるのに、いいの?みたいな?
本編であるように、まったくシンプルに、ヘタな演技を見せ付けられても困る・・・みたいな心理もあったのかも???

元カノの演技がどうだったかは別として、ドラマも映画も出演者のすべてが完璧な演技を求められてると思うんですよね。
だってプロなんだから。
素人が見て「はぁ?」なんて演技された時点でその作品が
台無しになりそうな気がして・・・

続く
Commented by juno0712 at 2009-10-12 20:57
続きです。


でも、いくらビョンホンでも「キャスティング」に注文あれこれつけられないと思うし、このアイリスは怖ろしく期待されてますからね。

私もすごく期待しています。
いいな~韓国で見れる人は。

続編・・・書けたら書きますね!!
Commented by at 2010-07-19 21:48 x
今晩は~ オジャマします。
少しずつ読ませていただいてるので、大幅に時期はずれであることを覚悟のコメントなので、無視して下さって構いません。

その昔、田中健氏が共演の沢口靖子嬢に向かって「オマエ、人を好きになったことないだろ」と言ったという一件を思い出しました。
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by juno0712 | 2009-09-29 21:50 | 創作・アイリス(笑) | Comments(11)